【府中市】10月から下水道料金の値上げ

府中市議会議員の渡辺しょうです。

昨年12月にも一度お伝えしましたが、いよいよ実施が近づいてきましたので、改めて丁寧にご説明したいと思います。本年、令和8年(2026年)10月1日から、府中市の下水道使用料が改定されます。率直に申し上げて、これは「値上げ」です。家計や事業活動に関わる大切なお知らせですので、なぜ改定が必要なのか、いくら変わるのか、順を追ってお伝えします。

「約28年ぶりの値上げ」です

値上げのお知らせを気持ちよく受け取れる方はいないと思います。私自身も、市民の皆さんにご負担をお願いすることは、重く受け止めています。

ただ、事実として押さえておきたいのは、府中市の下水道使用料は、これまで非常に長い間、低く据え置かれてきたということです。直近では平成17年(2005年)7月に「値下げ」を行っており、その前の平成10年(1998年)以来、値上げとしては約28年ぶりとなります。約28年間、料金を上げずに事業を続けてきたわけです。

さらに、東京都内26市で比較すると、府中市の下水道使用料は、令和8年1月末時点で現在最も低い料金です。今回の改定を行っても、なお都内で2番目に低い水準にとどまる見込みです。この点は、判断の前提としてぜひ知っておいていただきたいところです。

いくら変わるの?(2か月あたり・税込みのモデルケース)

いちばん気になるのは「実際にいくら増えるのか」だと思います。使用水量ごとのモデルケースは次のとおりです(請求は2か月ごと、税込み)。

・一般家庭(単身・20㎥):585円 → 752円(+167円)

・一般家庭(3〜4人・40㎥):1,817円 → 2,138円(+321円)

・事業所等(100㎥):6,833円 → 7,814円(+981円)

・工場等(1,000㎥):135,863円 → 154,114円(+18,251円)

一般的な3〜4人のご家庭で、2か月あたり+321円ほどのご負担増となります。使用水量が多い事業所や工場では、増加額も大きくなります。

なお、この金額は下水道使用料のみで、実際の請求にはこのほかに水道料金が加算されます。ご自宅の使用水量に応じた具体的な金額は、府中市が公開している早見表で確認できます。

・下水道使用料早見表

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/sekatu/jogesuido/shiyouryou_kaitei2026.files/gesuidouhayamihyou.pdf

なぜ、いま改定が必要なのか(3つの理由)

「これまで上げてこなかったのに、なぜ今なのか」。その理由は、大きく3つあります。

1つ目は、下水道施設の老朽化です。府中市の下水道は昭和39年に着手し、昭和59年度までにほぼ100%普及しました。下水道管の総延長は、令和6年度末で約767キロメートルにのぼります。下水道管の標準的な耐用年数は50年とされており、令和12年度末には市内の下水道管の約50%が耐用年数に達します。今後、点検や更新のための維持管理費が確実に増えていきます。

2つ目は、物価と労務単価の上昇です。電気料金、資材、燃料費などが近年上昇し、施設の維持に必要な固定費が増えています。加えて、点検・清掃・補修工事などに従事する技術者・作業員の労務単価も上がっており、委託費・工事費の負担が増しています。

3つ目は、東京都へ支払う汚水処理負担金の増加です。実は府中市には汚水処理場がありません。私たちの汚水は、北多摩一号水再生センター(府中市小柳町)や森ヶ崎水再生センター(大田区)といった、東京都が管理する流域下水道施設で処理されています。これらの施設は市町村の負担金で運営されており、東京都が負担金単価を改定したことで、令和8年度から府中市の負担が増えることになりました。

老朽化対策の詳細は、府中市の計画もご覧いただけます。

・公共下水道ストックマネジメント計画

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/sekatu/jogesuido/stockmanagement_jissihousin.html

「税金で穴埋めすればいいのでは?」という疑問について

値上げと聞くと、「一般の税金を投入して料金を据え置けばよいのでは」と考える方もいらっしゃると思います。これはとても自然な疑問です。

府中市の説明によれば、下水道事業は「公営企業」として独立採算制を原則としており、事業に必要な経費は事業収入(使用料)で賄うことが基本とされています。汚水処理にかかる費用は、「受益者負担の原則」に基づき、下水道を使う方にご負担いただく、という考え方です。つまり、使う量に応じて公平に負担し合う仕組みであり、使っていない人の税金で広く穴埋めするのとは考え方が異なる、ということです。

このあたりは賛否が分かれ得るところでもあります。制度の考え方として、府中市はこのように整理している、とご理解いただければと思います。

改定日をまたぐ場合の計算について

10月1日をまたぐ検針期間(前回検針日から今回検針日までの約2か月)については、日割りで按分して計算されます。9月30日までの使用分は改定前の料金で、10月1日以降の使用分は改定後の料金で、それぞれ日割り計算されます。改定月にいきなり全額が新料金になるわけではありませんので、ご安心ください。

この料金体系は「10年間」を見据えたものです

今回の改定で決まった料金体系は、中長期的な市民負担を考慮し、社会情勢に大きな変化がない限り、令和17年度までのおおむね10年間、適用される予定です。ただし、5年後にあたる令和12年度には財政計画を見直し、改めて改定の必要性を検証することとされています。頻繁に見直すのではなく、長期的な見通しのもとで料金を設定している点も、あわせてお伝えしておきます。

このほか、よくある質問(Q&A)や減免制度についても、府中市の公式ページに詳しくまとまっています。

・下水道使用料の減免制度

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/sekatu/jogesuido/genmenseido.html

お問い合わせ

この件は、府中市都市整備部下水道課が担当しています。

・担当:府中市 都市整備部 下水道課

・電話:042-364-4111(代表)

・府中市公式ページ:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/sekatu/jogesuido/shiyouryou_kaitei2026.html

おわりに

下水道は、いつでも当たり前に使えるものだと感じてしまいがちですが、その裏側では、約767キロメートルにおよぶ管や施設を、日々点検し、修繕し、更新し続ける、地道な作業が続いています。私たちの快適な暮らしと衛生環境は、この見えないインフラによって支えられています。

今回の改定は、値上げというかたちで皆さんにご負担をお願いするものであり、心苦しさもあります。それでも、施設の老朽化が進むなかで、下水道というインフラを止めることなく、次の世代へ健全なかたちで引き継いでいくためには、避けて通れない判断だと受け止めています。この改定案は、学識経験者や市民の代表からなる協議会での審議・答申を経て、令和7年第4回市議会定例会で条例改正として議決されたものです。

私は府中市議会の建設環境委員会の委員長として、いただいた使用料が適正に、そして効率的に使われているか、これからもしっかりと確認してまいります。ご負担をお願いする以上、そのお金の使い道に責任を持って向き合うことが、私の務めだと考えています。

ご不明な点やご意見があれば、私、渡辺しょうにもお気軽にお声がけください。

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