【府中市】府中市議会の補正予算を可決へ

府中市議会議員の渡辺しょうです。
本日9月17日は、午前中に予算特別委員会、その後に決算特別委員会が開かれました。
予算特別委員会では、第88号議案「令和8年度府中市一般会計補正予算(第2号)」を審査し、賛成25・反対2の賛成多数で可決すべきものと決定しました。私も賛成しています。物価高・エネルギー価格の高騰に対応する内容が柱で、暮らしに直接関わるものが多く含まれています。
続いて決算特別委員会が開会し、第91号議案「令和7年度府中市一般会計歳入歳出決算の認定について」の審査が始まりました。本日は歳入の質疑の途中までで終了しています。
長くなりますが、以下、補正予算の主な質疑、答弁からご報告します。
エネルギー価格高騰対策支援事業(事業者向け)
府中市内の法人・個人事業主に対し、一事業者あたり10万円を定額で支援します。
・対象…商工業のほか農業、医療・福祉分野を含む幅広い業種で、類似の補助金を受けていない市内の事業者
・見込み件数…3,500事業者(市内事業者総数の約6割)
・要件…令和8年4月から12月までの任意の1か月に、3万円以上のエネルギー費用を負担していること(電気・ガス・ガソリン・軽油・灯油・重油代等を合算可能。領収書等で確認)
・財源…一般財源3億2,600万円、国庫負担金2,400万円
事業規模によって影響額は異なりますが、事務手続きの簡便さと迅速な支給を優先し、定額での支援としたとの説明でした。八王子市も10万円の定額給付、町田市は事業規模に応じて差を設ける手法をとっており、府中市は前者を選んだ形です。
手続きは、申請要件・書類を簡便にし、オンライン申請を基本とします。予算承認後、11月中旬にコールセンターと専用窓口を設置し、12月上旬から申請受付を開始。振込は申請から1か月から1か月半程度の見込みです。
当初予算の見込み不足ではなく、予算編成後の中東情勢の変化を受けた対応との説明でした。使途は限定せず、価格転嫁への対応や生産性向上への活用も想定されています。
中小企業事業資金融資利子補給金(実質無利子融資の創設)
全額一般財源で412万4千円を計上し、実質無利子の融資制度を創設します。
・受付期間…令和8年11月から令和9年3月末まで(月40件程度、延べ160件を想定)
・融資実行…12月から年度末までの4か月間
・返済期間…最長7年間
・利子補給額の総額…約9,300万円程度(令和9年度から15年度分を含む)
本年6月にむさし府中商工会議所から無利子融資制度の創設を求める要望書が提出され、経営相談窓口にも資金繰りへの不安の声が寄せられていたことが背景です。
なお、府中市が行うのは利子補給のみで、融資は信用保証協会の保証をつけて金融機関が実行します。市が融資元本の返済を負担することはありません。
介護サービス事業者物価高騰対策事業
・対象…東京都の事業の対象外となる市指定の地域密着型サービス事業所のうち、食事提供を伴うサービスを実施する事業所。地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護など9種別、75事業所
・補助額…定員規模に応じて段階的に設定(定員20人以下は20万円、21〜30人は21万円、31〜40人は31万円、以降10人ごとに増額、91人以上は91万円)
市が4月から5月に市内306事業所を対象に行ったアンケート(55事業所が回答)で、光熱費等と比べて食材料費の負担増が大きい傾向が見られたことから、食材料費を補助対象としています。東京都の制度が食費・光熱費・燃料費を対象とするのに対し、市は食材料費に絞った形です。
介護報酬は公定価格ですから、急な物価高騰を事業者が単独で吸収するには限界があります。実際、食材料費の高騰により利用者への食費値上げの申請が市に来ている状況も報告されました。市民が必要な介護を受け続けられる環境を守るという意味で、意義のある支援だと考えています。
物価高対策・子育て世帯支援事業(子ども1人1万円)
18歳までの子ども1人あたり1万円のデジタルギフトを給付します。
・対象…基準日である9月1日時点で住民基本台帳に登録があり、令和8年度高校3年生相当年齢以下(平成20年4月2日から基準日までに出生)の子どもを養育している方
・対象児童数…約4万人、約2万5千世帯
・申請…不要(対象世帯に通知を送付)
・スケジュール…12月上旬に二次元コードを印刷した通知を簡易書留で発送。2月末までにスマートフォンで受け取り
昨年度も同様の事業を実施し、アンケートでは給付方法についてデジタルギフトを選んだ方が6割近く、満足度は「普通」を含めると9割超でした。申請不要とすることで、保護者の負担軽減と振り込め詐欺の防止も図ります。
スマートフォンで受け取れない方や、期限までに受け取れなかった方には、商品券等を送付する予定です。ここは丁寧な案内が必要な部分ですので、特別委員会でも求められていました。
デジタル地域通貨「ふちゅPay」関連
<受け取り時の1,000ポイント上乗せ>
子育て世帯支援の給付をふちゅPayで受け取ることを選んだ方に、1人あたり1,000ポイントを上乗せします。給付対象者のおおむね半数(約1万8,750人)が選択すると想定し、事務経費を含めて1,926万6,000円を計上しています。
<ポイント還元キャンペーン>
ふちゅPay決済時に購入額の20%分のポイントを付与します(上限は1人あたり3,000ポイント)。加盟店全体(約650店舗)を対象とするものと、商店街連合会加盟の約300店舗を対象とするものの2種類で、消費喚起効果を高めるため異なる時期に実施する予定です。
還元率は昨年度の30%から20%に変更されました。上限まで受け取るのに必要な購入額は約1万円から1万5,000円になります。
現在の登録者数は約6万人。利用者の年齢構成は50代が34.8%で最も多く、40代22.5%、60代22.3%と続き、20代以下は2.6%にとどまります。委員からは、公金を投入する以上、自走できる事業になるようアピールを強めるべきとの意見が出されました。
また、本人確認の方式がマイナンバーカードに限られる点について、普及を目指す段階でカード必須の機能を設けることへの違和感を示す共産党からの意見もありました。運転免許証と顔写真の照合方式が2027年4月に廃止予定であることが背景にありますが、店舗利用の推進がカード利活用の推進に偏らないようにという指摘です。
スマートフォンを持たない方や操作が苦手な方への対応については、既決予算の中でサポート窓口やコールセンターを設置し、丁寧に対応していく方針が示されました。
感震ブレーカー設置支援事業補助金
地震の揺れを感知して電気を遮断し、通電火災を防ぐ機器の購入費を補助します。
・補助上限額…7,000円(東京都2分の1・3,500円、市2分の1・3,500円)
・対象…分電盤に取り付ける簡易型タイプ、コンセントタイプ(一括遮断型・特定遮断型)の購入費。工事費は含みません
・対象者…府中市内在住で住民基本台帳に記載のある方。1世帯1回まで、住宅の種類は問いません
・対象期間…本年12月以降の購入分。申請受付は令和9年1月下旬からおおむね2月下旬まで(予算に達した時点で終了)
・見込み件数…1,500件
注意点として、令和5・6年度に東京都の事業で木造密集地域(北山町一丁目、新町3丁目、晴見町3丁目、武蔵台3丁目、紅葉丘2丁目)に配布されたコンセントタイプを受け取った世帯は、1世帯1回までという都の要領により対象外となります。
東京都は2030年までに設置率25%という目標を掲げており、府中市では令和6年時点で約2万9,000世帯が設置済みと試算されています。
ちなみに、府中市の防災用品斡旋事業での感震ブレーカーの販売数は、今年度これまでで4個とのこと。制度があっても知られていなければ使われません。高齢者世帯や地震リスクの高い地域への丁寧な説明と周知が必要です。
学校給食費助成金
次の2つの場合に、給食費相当額を助成します。
・私立小中学校等(朝鮮学校・インターナショナルスクール等の外国人学校を含む)に通う児童生徒の保護者…約1,500人
・府中市立小中学校に在籍し、不登校等の理由で学校給食を停止している児童生徒の保護者…約900人
合計で約2,400人を見込んでいます。支給要件は出席日数ではなく「給食を停止していること」です。制度は11月に開始し、月単位で算定して年1回、半年分をまとめて後から支給します。今年度は令和9年1月末までに手続きをすれば、年度当初(4月)まで遡って支給されます。
大事な点として、助成金を受けている間でも、児童生徒が登校した場合には給食が提供されます。喫食回数に応じて助成金から減額調整する仕組みで、登校を妨げないよう配慮されています。いつ登校しても給食が食べられる状況を整え、登校を後押しするという考え方です。
私立学校等への助成を実施しているのは多摩26市中1市、不登校等への助成は3市。まだ少数の取組です。
そのほかの主な内容
・木造住宅耐震アドバイザー派遣事業…当初は年間70件・318万円の見込みでしたが、6月末時点で53件・約240万円の実績。需要の継続を見込み、48件分・215万6,000円を増額します
・統合校の改築手法等調査費…府中第七小学校の校地で改築する3つのパターンについて、児童への影響、学校運営、工事期間、周辺の交通などの観点から具体的に検証します
・犯罪被害者等支援制度のあり方検討委員会…学識経験者、弁護士、被害者支援都民センター職員、公募市民2名など計8名で構成し、年度内に2回開催を想定
・認可外保育施設等の利用者への施設等利用費…国が令和元年の制度創設以来初めて給付上限を約1割引き上げ、令和8年10月から施行されることに伴う増額
・予防費…肺炎球菌ワクチンが昨年度までの23価ワクチンからファイザー社の「プレベナー20」に変更されたことに伴う単価増(8,525円から11,827円へ)
・有料ごみ収集管理費…原材料費高騰に伴う指定収集袋の作成費の増額。市民が購入するごみ袋の価格には影響せず、現行価格を維持します
・公共施設包括管理業務委託…第3期は文化センター10館を加えて43施設が対象。委託期間を3年から5年に拡大し、限度額15億円。委員からは、長期化により市内事業者の参画機会が失われないよう求める意見が出されました
・東京消防庁事務費(消防負担金)…1億7,468万6千円。三多摩地区における府中市の消防委託金は、29市町村中で八王子市・町田市に次ぐ3番目の規模です
生活保護費の追加給付
最高裁判決を受けた追加給付についても質疑、答弁がありました。
・対象…平成25年から令和8年3月31日までの間に生活保護を受給、または現在受給中の方(既に亡くなられた方は対象外)
・世帯数…受給中3,778世帯、過去に廃止された2,524世帯の計6,302世帯
・申請…現役世帯は申請不要で市が職権により給付。廃止世帯は申出書等の提出が必要
・申請期間…令和8年8月3日から令和9年7月31日まで
現在受給中の世帯については、本日ですべての追加給付が完了しました。廃止世帯については、9月25日に第1回目の支給を調整中です。9月15日時点での申し出は106件にとどまっています。
課題は、廃止世帯にどう情報を届けるかです。転居を重ねた方は所在が追えず、国の方針で統一的なプッシュ型の周知は行わないこととされています。市では遠方に転居された方向けの専用コールセンターと、対面相談の専用窓口を設けて対応しています。
対象となる可能性のある方がお近くにいらっしゃれば、ぜひお知らせください。
民生委員の充足率
2026年9月現在、定数191人に対して177人、充足率は92.67%です。
今回の活動費の増額は、新たな業務を追加するものではなく、現在の活動での実費負担を手厚く支援する趣旨です。メールやウェブ会議などデジタル活用に伴う通信環境の整備費、熱中症対策の費用負担があるという声を踏まえたものとの説明でした。
採決と各会派の意見
私たち会派、市民フォーラムは、市民ニーズや業界のニーズをきめ細かく見極めた補正予算であると評価し、賛成しました。予算通過後の実施・履行を確実に行い、市民ニーズにかなった行政サービスの提供を要望しています。
市政会も、物価高・エネルギー価格高騰に対する保育・介護事業所への支援、地域活性化への取組、防災対策の強化を評価して賛成。
日本共産党は、ふちゅPayの本人確認書類がマイナンバーカードに限られる点、統合校の建て替え期間中の児童の通学先が保護者に説明されていない点などを挙げ、反対の立場を表明しました。
第88号議案は、賛成25・反対2の挙手多数により、原案のとおり可決すべきものと決定しました。
決算特別委員会が開会
続いて決算特別委員会が開かれ、第91号議案「令和7年度府中市一般会計歳入歳出決算の認定について」の審査が始まりました。歳入は一括で質疑を行い、歳出は3区分に分けて質疑した後、総括的質問を行うことが決定しています。
本日の委員会は歳入の質疑の途中までで終わりました。主な質疑のやり取りを以下、いくつかご紹介します。
<市税>
令和7年度の市税収入は約590億5,000万円で、令和4年度の約551億8,000万円から4年間で約39億円増えました。個人市民税は雇用所得環境の改善や納税義務者数の増加などで増収傾向。一方、法人市民税は上位20社で全体の約8割を占め、電子部品等製造業・情報通信業・銀行業の3業種が法人税割額の約71.5%を占めるため、一部の企業業績で大きく変動する構造です。
<ふるさと納税>
減収額と寄附金の差額は、令和5年度がマイナス6億5,300万円、令和6年度がマイナス9億4,300万円、令和7年度がマイナス10億8,900万円。ついに10億円を超えました。
昨年12月には東京都知事、特別区長会会長、東京都市長会会長、東京都町村会会長の4者連名で、抜本的な見直しを含む要望書が国に提出されています。国の制度改正としては、経費率を令和11年10月から40%以内に引き下げること、令和9年1月以降の寄附について高額所得者を対象とした控除上限を新設することが示されました。
<コンビニ交付>
令和7年度の証明書請求は、窓口111,674件に対しコンビニ119,932件と、コンビニが窓口を上回りました。コンビニ交付にかかった費用は2,781万5,141円です。特例料金が始まった令和6年4月以降、利用率は毎年約10%ずつ上昇し、直近では50%を超えています。
<そのほか>
・粗大ごみのオンライン決済…令和7年度の利用は約2万8,000件、約3,300万円。申込件数全体の約34%
・美術館…令和7年度の観覧料は5,531万3,000円、企画展示室の入場者数は10万4,124人と好調
・犬の登録…令和7年度は10,251件。狂犬病予防注射の接種率は72.5%
・不用額…令和7年度は58億9,631万5,000円(繰越明許費を除くと42億8,579万7,000円)
・インクルーシブ遊具…白糸台公園の拡張整備で、車いす利用者も使える複合遊具を新設。府中市で初の取組です
決算審査は明日以降も続きます。歳出の審査に入っていきますので、引き続きご報告します。
おわりに
補正予算には、エネルギー高騰対策、介護事業所支援、子育て世帯への給付、感震ブレーカー、給食費助成と、性格の異なる事業が並んでいます。共通しているのは、いずれも「いま困っている人に、いつ届くか」が問われる事業だということです。
事業者への10万円は12月上旬から申請受付。子育て世帯への1万円は12月上旬に通知。感震ブレーカーは1月下旬から申請。予算が通っても、そこから手続きが始まります。制度があることを知らなければ、申請そのものがされません。
議決して終わりではなく、必要な方に確実に届いたかどうか。そこまで見届けるのが議会の仕事だと思っています。周知のあり方も含めて、引き続き確認してまいります。
ご意見・ご質問があれば、ぜひお聞かせください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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